粧美堂株式会社は、第二次世界大戦後の1948年(昭和23年)10月、大阪市東区博労町で創業、翌年1949年12月に株式会社に改組されました。大戦中、インドシナ戦線に従軍。戦争の悲惨さを体験し、終戦とともに帰国した創業者の寺田正次は「戦後の日本は豊かになり、装飾品(注1)が必要になる」との信念から、装飾品卸商を創業しました。物資のないこの時代、大阪中部の八尾地区には、クシやパフ、紅筆などの化粧道具を作る家内工業的な工場がたくさんありました。物流もなく、正次自らが自転車に乗って、八尾の工場で品物を買い付け。そして、自ら人品であふれる汽車に乗って、品物を必要としている東京などの消費地の問屋に卸したのが、粧美堂の原点です。
(注1)装粧品:化粧品・化粧道具の総称。ここではとくに化粧道具類を指す。