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新生「粧美堂(SHOBIDO)」として、「美を運ぶ」企業から「美を創る」企業への転換にチャレンジします。

化粧雑貨の一次問屋を祖業に、小売業と直接取引をする二次問屋へ転換、さらに生き残りを懸けて、ものづくり基盤を構築するなど、消費市場の変化に伴い、自らを変化させてきました。
次世代の成長に向けて、商号を創業時の「粧美堂」に変更し、「美を創る」企業、真のメーカーへの転換を決断した想いを代表取締役社長の寺田正秀に聞きました。

当期(2019年9月期)の事業活動レビューについて

当期、日本国内では、コスメコンタクト※1事業の構造改革、化粧雑貨事業の強化、OEM※2事業の強化を施策の軸に置き、また、海外では、コスメコンタクト事業を核に、主として中国での事業展開を進めました。

国内の業態別には、100円均一ショップ向けが好調に推移しましたが、ネット通販やディスカウントストア、総合スーパーなどが不振でした。また、商品別には、主力の化粧雑貨においてOEM商品などが好調に推移したことに加え、その他分類のタオル類、文具などが好調でしたが、服飾雑貨では、バッグやポーチ、サイフ類などが不振でした。コンタクトレンズ関連では、ブランド数や得意先の選択と集中を行ったため、業容が縮小しました。

このような事業環境のもと、売上高については、当第3四半期決算発表時に、通期連結売上高の期初予想を下方修正するなど厳しい状況でしたが、コスト抑制等に努めた結果、利益面では増益に転じることができました。

※1 コスメコンタクト®は、瞳を大きく魅力的に見せる、マスカラやアイライナーのようなメイク発想のコンタクトレンズです。
※2 OEMとは、販売ニーズを反映した仕様に基づいて企画し、販売先の商標により販売する事業の形態をいいます。

「真のメーカー化」に向けた事業の選択と集中について

当期の重点施策を推進するうえで最も重要だったのが、あらゆる事業における選択と集中でした。その前提として、上位お取引先に関する収益構造の分析を進めました。中長期的に当社が目指す営業利益率は2桁以上です。それを達成するために何が必要かを検討するために徹底した分析を行い、改善策を検討してまいりました。

当社は問屋業としてメーカー機能を持ち、小売業のためのものづくり基盤を構築してまいりましたが、分析・改善の結果、これからの成長には、変化する消費市場に対応できる「真のメーカー化」によって、消費者の皆様に選ばれるブランドになることが必要であることが見えてきました。

その一環として進めているのが、コスメコンタクト事業に対する抜本的な構造改革です。

コスメコンタクト事業の構造改革について

コスメコンタクト事業は、2013年に株式会社メリーサイトを100%子会社化することでスタートしました。当時、コンタクトレンズの製造販売業者であったメリーサイト社の主要な販路はEコマースで、消費者に直接アクセスしていました。このほか、一次問屋として卸売りに従事していましたが、EC、卸売りともに、原則として返品がない事業モデルであったことが、メリーサイト社の収益性を支えていました。

その後、当社は、コスメコンタクト事業を立ち上げる過程でシェア拡大を優先させるため、対小売業の二次問屋という立ち位置で売り場をより多く押さえる戦略をとりました。そこからの学びは、コンタクトレンズ事業は売れる店舗と売れない店舗の差が歴然としていて、かつ店舗立地が非常に重要であるということでした。

この学びに基づき、当期は、売れる店舗を持つ得意先への選択と集中を行い、また商品ブランドについても、『ピエナージュ』と『デコラティブアイズ』を中心に、既存商品を丁寧に販売する戦略に切り替えました。

戦略変更を1年で実行した結果、減収ならびに返品処理に係る費用を発生させましたが、コスメコンタクト事業において「真のメーカー化」は必須との戦略的な視点から、取り組みを敢行いたしました。

来期(2020年9月期)以降の重点施策について

「変化する種」のDNAをもって、「真のメーカー化」を加速する

代表取締役社長 寺田 正秀

代表取締役社長
寺田 正秀

化粧雑貨の一次問屋を祖業に成長してきた当社ですが、消費市場の変化に合わせて、業態転換を図ってまいりました。1970年代以降の総合スーパー台頭の流れの中では、小売業と直接取引をする二次問屋へと転換。さらに、1990年以降、生き残りにはメーカー化が必須と考え、韓国と中国で生産を開始し、メーカーとしてのノウハウの蓄積や事業基盤の構築を進めてまいりました。

チャールズ・ダーウィンによる「変化する種」という言葉は、姿を変えながら生き残りを図ってきた当社のDNAを表しています。そのDNAをもって次世代を見据えると、メーカー機能を持つ問屋業だけでは生き残れないとの強い危機感を抱くようになりました。次世代を生き抜くには、消費者にメーカーとして認知していただき、メーカーとして当社を選んでいただく必要がある。だからこそ、「真のメーカー化」が必須なのだとの想いを強くしました。

その想いをカタチにするため、2020年1月1日付で、商号をSHO-BIから「粧美堂」に変更することにいたしました。消費者の皆様が「美しくよそおう」ことをお手伝いする — 当社の創業時からの精神を表す「粧美堂」という商号は、消費者の方々に当社が何をやっている会社であるかを素直に伝えることができます。さらに漢字表記であることで、中国やアジアで日本の安心・安全なメーカーとしての認知向上を図り、より親近感を持っていただけると考えました。

新生「粧美堂(SHOBIDO)」の中期的方向性を考える

当期は、社員との間に直接コミュニケーションをとる機会を増やし、「真のメーカー化」がいかに重要か、そして、そのための組織づくりについて率直に意見交換を行いました。また、問屋業としての古い体質についても、かなり些末な事象に至るまで、見直しを行いました。

来期に向けては、幹部候補生として中堅社員をピックアップし、新生「粧美堂(SHOBIDO)」として中期的に目指すべき方向性について検討するワーキンググループを組成しました。次世代の成長基盤を自ら構想し、自律的に動く。そのような組織体になるための第一歩にしたいと考えています。

株主・投資家の皆様へのメッセージ

2008年、当社は商号を「SHO-BI株式会社」に変更し、企業ロゴ、ミッション・ビジョンの刷新を行いました。これを契機に、全社一丸となって、2009年のJASDAQ市場、2010年の東京証券取引所市場第2部、2011年の同第1部への上場を果たしました。

2020年1月の商号変更は、当社が皆様の「美を創る」真のメーカーに進化するための大切なステップと捉えています。次世代の成長に向けて、大きな舵取りを進める当社グループを変わらずご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

2020年9月期 連結業績予想
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